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古くから愛される味。大館市 花善の鶏めし弁当、その歴史とおいしさの秘密

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みんな大好き、花善の鶏めし

秋田県北界隈では、「花善の鶏めし」といえば超有名・ド定番のお弁当です。

大館市外の人でも、「花善」や「鶏めし」というキーワードを出せば「あぁ、知ってる」という人も少なくないはず。

かくいうわたしは以前GWのみの短期バイトをしていたことがありますが(しかも2回もw)、じつはそれまで存在を知らなかったのですが…

バイトをきっかけに大好きになり、ときどき無性に食べたくなる味になりました。

鶏めしのおいしいポイント紹介

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鶏めし 880円

花善は明治32年 (1899) 創業、2016年時点で創業117年です。

鶏めしの原型は終戦後物資がなく、賄い食として砂糖・醤油・ゴボウ・米の支給があり、まとめて炊いたことからきているそう。

まさに特徴的なのがこのごはん。鶏のうまみがしっかり効きつつ、醤油をベースに甘めの味付けとなっています。

上にのっている鶏肉や卵のそぼろ、しょっぱめのおかずを間にはさむことで、無限に食べ進んでしまうなんともクセになる味です。

ちなみに予約制で「特上」「スペシャル」なんていうものもあり、包み紙や手提げ袋が高級感があって好きです。花善はお弁当の入れ物も立派なんですよね〜。使い捨てるのがもったいないほどしっかりしたつくりなのです。

「から揚げ鶏めし」などのバリエーションも最近は登場しているそうで…そっちも食べてみたいなぁ。

花善のここがポイント

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大館駅眼の前にある花善は、弁当製造のスペース、レストラン、事務所がすべて同じ建物です。

外から見ても、3〜4階建てでかなり大きく目立ちます。もちろんレストランではつくりたての鶏めしが味わえますよ。

レストランで使っている曲げわっぱがまた素敵なんですよねー。曲げわっぱに使われている秋田杉は、ご飯の余分な水分を吸ってふっくらさせてくれる効果があります。

花善オリジナル曲げわっぱは大館工芸社製で、フタ付き5,000円で通信販売も行っているそうですよ。

ちなみにレストランは2016年10月現在、改築にともなって一部スペースのみでの営業となっているようです。

 

できたてを買うなら窓口が狙い目

レストランでゆっくりできないという場合でも、じつは窓口でお弁当を買うことができます。レストランは建物右手にありますが、建物の左手の道路に面したところに「弁当販売所」と書いてあるのでわかりやすいと思います。

まぁ、わたしが働いているときも朝から晩までひっきりなしにお客さんが買いに来ていたので、有名だとは思いますが…

基本的に朝6時半から18時頃まで買うことができます。当たり前ですが、早朝であるほどできたてに当たる確率は高いです。

同じ理由で、大館駅ニューデイズもできたて率は高いですよ。何せ売れるたびに花善から配達してましたから(徒歩30秒)。

もともとは駅弁が主体だった

バイトしていた頃、勤続40年の母さんから聞いた話ですが、もともとはあけぼのなどの電車に乗ってお弁当を売り歩くスタイルが主体だったそう。だから冷めても美味しく食べられるような味つけが考え出されたわけですね。

今でもずっと同じ地で、同じ味を守り続けてるってすごいなぁ。

ちなみにご飯の量が多めなのは、鶏めしができた当初はまだ「満腹に食べられることが幸せ」という風潮があったため、お客様にお腹いっぱい食べてほしいという願いから現在まで変えていないのだそう。素敵か。

社員を大切にする会社

ここからは完全に裏話的になってしまうんですがw 花善はこのへんでは破格に時給がいいです。短期バイトでも通常のパートさんのスタート時給と一緒でした。ちなみにわたしは普通にハローワーク経由で応募してます。

休憩中も時給が発生するうえ、忙しい時期は朝・昼とまかないがつくことも。通常時でも朝ごはんはついてきます。

そしてパートさんでも年に3回以上ボーナスが出るそうです(これはさすがに短期バイトにはなかったですけどねw)。

さらに社員さんに聞いた話では、給料・ボーナス共にかなり高いらしい…。社員・パートにしっかりと還元してくれる会社だと、頑張ろうって思えますよね。

この話をきいたときは感動しました。朝早いのが大変ですが、ふつうにまわりの人におすすめしたいぐらいいい会社だと個人的には思ってます。

取扱店舗多数

ホームページにもありますが、花善のお弁当を取り扱っているお店は思いの外多かった!

まず、県内のいとくにはおいています。けっこう売り切れるのはやいんですよね。

そして主要各駅にあるニューデイズやキヨスクなどの売店、空港、新幹線こまちでの車内販売もやっています。やはり駅関係は多いですね。花善の本質は冷めても美味しい駅弁スタイルにありますからね〜。

青森県ではニューデイズ・JR新青森駅改札内売店ほか、さくら野・中三・イトーヨーカ堂にもおいています。

さらに盛岡・仙台・大宮・東京駅の「駅弁屋」でも取り扱ってるんですって!思ったよりも東のほうに進出しててびっくり。

受賞歴多数

モンドセレクションとかなんとか賞とか中身がよくわからない賞がこの世にたくさんあって、受賞歴とかきいてもなんかうさんくさいな〜と思っちゃうタイプの人間なんですが…

JR東日本主催の「駅弁味の陣2015」で駅弁代将軍(つまり優勝)をとったときは、さすがに地元でもにわかに盛り上がりましたね。「やっぱり鶏めしはすごいんだ!」みたいな。みんな納得、でちょっと誇らしい(ドヤ顔)雰囲気すらあった。

これまでにも駅弁系の大会(?)でいろんな賞をとっているみたいで、歴史があるということはそれだけ長く愛されている商品なんだなと改めて感じました。

チャレンジ精神を忘れない

わたしがすごいなと思うのは、創業120年を目前にした老舗でありながら、いまだに新商品を次々と開発・販売したり、弁当を卸す先を広げていっているところです。

鶏めしだけの人気や取引先に甘んじることなく、花善だからできる新しい商品をさらに定番化していこうというチャレンジ精神が素晴らしいと思います。

わたし自身が働いているときは、従業員の8割が60代・70代の母さん達だったので、この先どうするんだろうとバイトの身ながら思ったものでした。

でもこれから先も花善ならきっと、伝統を受け継ぎつつ新しいチャレンジを続けていってくれることでしょう。

うーん、意図せずコラムっぽい締めになったw

鶏めしよ永遠に

そんなわけで、花善の鶏めしへの愛を思い切り語ってみました。おかしいな、鶏めし食べたってことだけ書く予定だったのにw

地元で愛される花善、そして鶏めしを、今後も応援していきたいと思います。

書いているのはこんな人。

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